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えほんやるすばんばんするかいしゃ

東京・高円寺の古絵本屋「えほんやるすばんばんするかいしゃ」の絵本紹介ブログです。

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イロニワ展:絵本の紹介⑧  

あいにくの雨の日ながら、イロニワ展にお越しくださったみなさま、
3店舗をめぐってくださったみなさま、ありがとうございます!

イロニワ展も、残すところあと一週間程。 3/25(日)までの開催となります。


さて、今回は抽選販売の中から、特色刷りの絵本ではありませんが
ジャン=ミシェル・フォロン(Jean=Michel FOLON)の4冊を紹介したいと思います。


同タイトルのものが2冊ずつ、それぞれ違った形で出版されました。

まずはこちらから。「Le portemanteau」

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右のソフトカバーのものが、1967年に1000部限定で発行されたものです。
左の黒いハードカバーの方が、その後1969年に発行されたもの。

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あるモノのことを考えていたら、いつのまにか自分が・・・?
ある部屋でひっそりと起こった、ちょっぴり不思議な物語。
いつのまにか、淡々としたフォロンの世界にそーっと、引き込まれている自分に気付きます。


実は、後に発行されたものは内容は同じですが、
描きなおされたものになり、ページのレイアウトが若干異なります。
(写真上が限定版、下が通常版になります。)

線が微妙に違うんです。 最初の限定版の方が、ペンの強弱を感じるタッチです。

紙も、限定版は少しクリームがかったクロッキー用紙のような紙を使っており、
表紙と、タイトルページは活版印刷で刷られていると思います。

小さめのサイズがぴったりの、ずっと大切にしたい素敵な本です。






こちらは、「Le Message」

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右の小さな黒いハードカバーのタイプが、1967年に発行された限定版。
左の青いソフトカバーのものが、1974年に発行された通常版。

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巨大なタイプライターを使い、ある男性が手紙を書き、届ける物語。
文章はありません。

気持ちを誰かに伝え、届けるという事の素敵さ、一生懸命になれる自分。
その先を思い、少し鼓動が早くなるような、いい返事をひそかに願うような気持ち・・。

静かに流れるこの本の時間の中で、そんなことがふと頭に浮かびました。


この二冊も、内容は同じですが、若干絵のレイアウトが変わっています。
限定版では、見開きで載っていた絵が、通常版では半分切れていたりします。
また、サイズがだいぶ変わるので、物語の印象も少し違って見えるようにも思います。



ジャン=ミシェル・フォロン(Jean=Michel FOLON)

1934年ベルギーのブリュッセル生まれ。
The New Yorker、The Timesなど雑誌の表紙やポスターを手がけていたり、
アニメーションや映画なども手掛けていたそう。

幻想的で特徴のある彼のイラストは、不思議な別世界に連れていってくれます。


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こちらは、フォロンではないのですが、ちょっぴり変わった本をオマケに紹介します。


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ローラン・トポール「Souvenir」1975年

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一瞬、なにが起きているのかよくわかりませんでした。
全ての文字をペンで消してしまった本、なんです。

ブッラクユーモアたっぷりな風刺漫画などを描いていたトポール。
この本をつくった彼も、この本を出した出版社も、両方すごいと思いました。
言葉でいろいろ説明するのが馬鹿らしくなるような、この本。


イロニワ展では、カラフルな特色刷りの本だけでなく、
線の持つ「色」にも注目しています。この機会に様々な本をご覧になってみて下さい。


(えほんや イソガワ)

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イロニワ展
2012.3/3(土)~3/25(日)
場所:高円寺のながれほしの路
企画:IONIO&ETNA、Gallery Cafe 3、えほんやるすばんばんするかいしゃ
協力:ALL RIGHT GRAPHICS

トークイベント「絵本にまつわる印刷のハナシ」
ゲスト:金羊社 聞き手:えほんやるすばんばんするかいしゃ
日時:3/24(土)14:00~、17:00~
場所:Gallery Cafe 3
(各回 定員10名程 要予約)※予約受付終了いたしました
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イロニワ展:絵本の紹介⑦  

印刷の事をもっと知りたい!ということで、「印刷博物館」に足を運んできました。

あまり時間がなく、ゆっくりとは見れなかったのですが、少し頭の整理がついたような、
さらにまた疑問がいっぱいわいてきたような・・ とにかく、面白かったです!

昔は、いろんな事ひとつひとつが手仕事。
人間の手、目、感覚がとっても重要だったような気がします。

浮世絵の完成までのビデオなんて、ほんとに時間と手間のかかった作業で
びっくりでした。

今も人間の感覚はもちろん大切で、それにプラスコンピューターの力も借りられるなんて、
本当に昔むかしの人びとにとっては、仕事の概念が全く変わる程の違いなのかなと思いました。

どちらも、いいところ、完璧でないところあると思います。
今は昔ながらの活版印刷もかなり身近になり、進んだ技術のものも手に届く。
選べるというのは、一番贅沢かもしれません。



前置きが長くなりました。今日は、まずこちらから。


ヘレン・ストーン「THE HORSE WHO LIVED UPSTAIRS」

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渋みのきいた綺麗な色彩のイラストたち。

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フォントもいいかんじです。味のある可愛らしい文字。

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風が吹いたような、独特な筆さばき! 画面いっぱいに広がる街が圧巻。

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ヘレン・ストーンは、「All Around The Town」など、特色刷り、描き分け版を生かした絵本を数冊描いています。

ひょいひょい、と筆を動かしていそうな、この軽やかなかんじが好きです。




お次は、この一冊。

ヌラ作・画「ALL ABOARD WE ARE OFF」1944年

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林檎を売っているおばさんと、こどもたちのお話。

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おばさん、何かを考えているようですが・・・

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いきなり、みんなで飛行機にのって、離れ島へ行こう!という展開。
りんご屋さんはクローズしています。

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ここは、本の島。

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そして、最後は眠りの島へ。

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お話しも面白そうなのですが、彼女の描く子どもたちが、妙に生命感がないというか、
ヘンリー・ダーガーの絵を見たときの(自分の)感情に少し似ているような気がします。
うわー、と思ってしまうかんじです。好きな、うわー、ですが。

想像の世界の子どもたちが描けなくなるから、実際に自分の子どもを
もちたくはない、とヌラは言っていたそうです。 うーん、なるほど。

まだまだこの方のことは知らないので、これからも注目していきたいと思います。
ヌラ。 名前からして、気にせずにはいられません。




(えほんや イソガワ)

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